おおのヘルスウォーキングプログラム 成果報告
令和2年度からスタートした「おおのヘルスウォーキングプログラム」は、5年目を迎え2930名が参加する大規模プロジェクトとなりました。
これまでの取り組みにより、どのような成果が得られたかについて、専門機関にて評価・分析を行いましたので、その結果をご報告します。(評価分析実施機関:株式会社 つくばウエルネスリサーチ)
1 医療や介護にかかる費用を抑える効果がありました
プログラムに参加する人と参加しない人を比べたところ、プログラム参加2年目において、1人当たりの年間医療費と介護給付費の合計額は、参加している人のほうが低い傾向がみられました。
特に、75歳以上の参加者では、参加していない人より年間約24万円も低く、抑制効果があることがわかりました。
また、プログラムに参加から1年目より2年目のほうが、その差が大きいことから、プログラムに長期的に参加するほど抑制効果が大きいことが確認されました。
【分析の対象】
(1)参加者集団:令和3年度からプログラムに参加し、令和4年度も継続している参加者のうち40歳以上の人で、国民健康保険被保険者または後期高齢者医療被保険者
(2)非参加者集団:(1)と年齢・性別・プログラム開始前の医療費と介護給付費の金額が近い人
2 75歳以上の人が「介護が必要な状態になる(要介護認定率)」リスクを下げる効果がありました
1で示した分析対象者のうち、75歳以上についてプログラムに参加している人としていない人の要介護認定率を比較しました。プログラム開始から1年目、2年目に新たに介護が必要な状態になった人(要介護認定を受けた人)は、プログラムに参加してない人の集団では14.0%であったのに対し、プログラムに参加している人の集団では5.0%であり、プログラムに参加することが介護リスクを下げることがわかりました。
3 肥満の改善や筋肉量アップの効果がありました
プログラム参加者は、体組成測定(体重・筋肉量・体脂肪量などがわかる)を行っています。プログラム開始前と、開始1年後の体組成データを比べたところ、令和3年度と令和4年度の参加者のうち、肥満度が基準値より高かった193人のうち23人が適正値に改善しました。また、筋肉量が少ないと判定されていた参加者287人のうち51人が適正値まで筋肉量がアップしました。
<用語の説明>
※「サルコペニア」とは、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態を表す言葉です。本プログラムでは、体組成測定によって得られた筋肉量のデータから筋肉率を算出し、サルコペニアの評価をしています。
※「BMI」は、身長と体重から算出される体格指数です。体重kg÷身長m÷身長mで算出し、25以上は「肥満」、18.5未満は「痩せ」と判定されます。
4 生きがいや幸福を感じる人が増えました
プログラム参加前後において「主観的健康感」がどのように変化したか、アンケート調査を行いました。
その結果、プログラム参加後のほうが「生きがい」や「幸福感」を感じると答えた人が多く、プログラム参加により、身体面だけでなく精神面においてもプラスの効果があることがわかりました。