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最終更新日:

2017年2月14日

ページ番号:

138-327-088

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地方の人口減少対策としての働き方改革

本年(2017年)1月から、大野市役所で「8時だよ!全員退庁」と銘打って、職員の働き方改革に向けた取組を始めました。ありがたいことにメディアにも取り上げていただくなど、働き方改革に関する社会の関心の大きさを感じます。

この働き方改革、これまで主な論調としては、生産労働人口が減る中でも経済成長を実現するための生産性向上の側面、保育時間の確保といった少子化対策・両立支援策としての側面、あるいは不幸な事件もあったことから過剰労働の削減という人権的な側面、などがあると思います。このような観点はもちろん重要なものばかりですが、都市部での問題や大企業での問題に対応する形での内容に、相対的には結び付きやすかったのではないでしょうか。

その一方で、自分としては、昨年5月に大野市に赴任させていただき、日々の業務や暮らしを過ごしていく中で、人口減少がより顕著に起こっている地方部にこそ、その維持・活性化のために働き方改革が必要ではないか、との思いを強くしています。

話は少し遠回りになるのですが、5年ほど前に2年間留学していたイギリスでの話をさせてください。

留学中に多少時間があったので、イギリスの各地を見て回ることができたのですが、その際に感動したのは、地方部の集落といいますか、村といいますか、そういうところが本当に美しく管理されていることでした。その理由をいろいろ聞いてみると、どこまで正確かはちょっと自信がないですが、そのコミュニティに属する人が協力して、行政の枠組みではないところで、維持・美化の活動に日々取り組んでいるという例が多いようでした。

そうはいっても、住民の皆さんも日々の仕事があるので、どうやって地域活動もやっているのか、ということに考えが及んだのですが、おそらくイギリスの人は基本的に日本の人よりも働く時間が短いので、時間がたくさんあり、活動時間の確保が比較的容易なのでないか、とパッと思いました。

でもさらによく考えると、それだけではなく、労働時間が短いことからエネルギー(やる気、体力など?)が枯渇せず、その分地域での活動に自分の力を注げる余地・余裕があるのではないか、ということに思い当たりました。働き方を改善することで、地域貢献のため活動する時間やエネルギーを残しやすい暮らしが本当に実現するならば素晴らしいことです。

そんなことを漠然と考え、世界的にも働き過ぎといわれている日本もそういう社会になればいいのに、と思いながら帰国したのですが、その後はまた東京での仕事が続き、業務量もそれなりにありましたので、なかなかその思いを形にする機会はありませんでした。ただ、いつかチャンスがあれば、という思いは片隅に持って過ごしていました。

そして昨年、この大野に来て、さまざまなことを勉強させていただくにつれ、日本の地方部もイギリスと同様に、地域の住民の皆さんの活動によってその生活環境や景観、文化や歴史が守られていることを知り、誇りに思いました。しかし一方で、高齢化が進み、人口減少のペースも早い日本社会の現実として、そういった活動を担う人々を確保し、活動の持続を図っていくことはこのままでは難しいのではないか、とも同時に感じまして、どうしようかと思っていたときに、イギリス時代の働き方についての考察が思い出されてきて、これが一つの鍵ではないのかと考えたのです。

大野で働いている方々が、その業務で時間やエネルギーを使い果たしてしまうようなことがあれば、地域の担い手としての活動が十分にできず、地域の衰退を招く要因の一つになってしまうのではないでしょうか。だとすれば、特に市役所は、大野で最大規模の事業所でもありますし、地元への意識が強い人が比較的多い集団だと思いますので、まずはここに勤務している人材が、仕事以外の面でもしっかりと地域活動に参加できるような環境を整えていくことが、大野市のためにも、また職員のためにも、効果が期待できるのではないかと考えまして、今回の「8時だよ!全員退庁」を始めたというわけです。

加えて、本来、幅広い意味での「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」には、余暇時間を活用した自己啓発活動など自己実現のための取組、という意味も含まれています。地域活動だけではなく、市役所職員が自己啓発活動によって業務の水準を上げる(情報収集やスキルの習得など)ことも、最終的には大野市のためになることだと思います。

そして、市役所での活動が成果を上げてくれば、市内の他の事業所でも同様の取組が広がり、さらに多くの方々がこれまでよりもゆとりを持って、地域での活動や自己啓発など、幅広い生き方・暮らし方をできるようになり、大野の将来をより明るいものにしていくと期待しています。

さらには、自治体単位でこのような働き方改革の取組を大々的に進めているところはまだまだ多くないことも踏まえると、大野市での取組がモデルケースとなって、県内、さらには国内の自治体や各種企業・団体における働き方改革の先導役となれれば、広く社会に貢献できるのではないか、という夢も持っています。

市役所での「8時だよ!全員退庁」の取組はまだ試行段階で、一部部署でモデル的に検証を行っているところですが、4月からは全庁的に取組を行えるよう準備を進めています。もちろん、働き方改革が市民サービスの低下につながることがあってはなりませんので、その点を慎重に検討しながら、取組は進めていくこととなりますが、さまざまな課題を乗り越え、この取組が将来的に大きな実を結ぶよう、頑張っていきます。

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