令和7年12月定例会 提案理由説明
令和7年12月第447回大野市議会定例会の開会に当たり、最近の諸情勢や市政の重要課題の取組状況について申し述べますとともに、提案いたしました各議案の概要について御説明申し上げます。
先月21日に高市内閣が発足し、24日に臨時国会が召集され、高市内閣総理大臣の所信表明演説が行われました。
経済財政政策の基本方針で、強い経済をつくるため、「責任ある積極財政」の考え方の下、戦略的に財政出動を行い経済の好循環を実現することによって、国民が景気回復を実感し、不安を希望に変えていくと述べられました。
内閣として最優先に取り組むことを物価高への対応とする中で、自治体向けの重点支援地方交付金を拡充し、地域の実情に合った的確な支援を行うとされています。
地方と暮らしを守るでは、地方の活力は、すなわち日本の活力であることから、地方が持つ伸び代を生かし、そこに暮らす住民の暮らしと安全を守る取組を進め、地方の活力を取り戻すとされています。また、若者や女性を含めて地方に住み続けられるようにするため、質の高い教育をはじめ、必要な行政サービスを受けられるようにする必要があり、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組むとされています。
今後の国の動向を注視していきます。
先の大野市議会9月定例会から、継続して審査をいただきました令和6年度各会計決算認定の4議案につきましては、ただ今、認定を賜り厚く御礼申し上げます。今後の予算編成や執行におきましては、委員長より報告がありました御意見や御指摘を十分心掛け、市政運営に反映させていきたいと思います。
令和8年度当初予算編成に当たりましては、「SDGsの推進」「ウェルビーイングの向上」「ジェンダーギャップの緩和」「シェアリングエコノミーの推進」を基本的視点として位置づけるとともに、「高速交通網の延伸を生かした稼ぐ力の向上」「こどもや若者をまち全体で支える取組」などを重点項目として、第六次大野市総合計画の将来像である「人がつながり地域がつながる 住み続けたい結のまち」の実現に向け、計画的かつ積極的に取り組むよう指示しました。
それでは、本市の重要課題の進捗状況について、第六次大野市総合計画基本構想の六つの分野の基本目標に沿って御説明申し上げます。
最初に、「こども分野 未来を拓く大野っ子が健やかに育つまち」について申し上げます。
病気回復期にあるこどもを預かる病後児保育を市内で再開するため、医療機関など関係者の御理解を得つつ、民間認定こども園における事業開始準備に着手します。
保育室の改修に係る補助など必要な経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
来年4月から、全国一斉に「こども誰でも通園制度」が始まります。保育園等に通っていない乳幼児が、時間単位で保育施設を利用できる子育て支援サービスを提供します。
事業開始に向けて、設備や運営基準を定める条例案を本定例会に提出しています。
給食食材費の上昇が続いていることから、学校給食に係る保護者負担を軽減するための経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
学校改修について、有終南小学校では、南校舎3階とスクールバス発着場の整備が終了し、南校舎1、2階の工事を進めています。
富田小学校では、特別教室棟の改修を進めています。
下庄小学校と中学校2校の外構工事は、本年度中の完成を目指し、駐車場の舗装や自転車小屋の整備を進めています。
本年度で8回目となる「図書館まつり」を、先月18日に開催しました。大野市図書館公式キャラクター「おとしょちゃん」のかるたの完成を記念した「かるた大会」や、クイズで館内を巡る「おとしょちゃん探し」などで賑わいを見せ、これまでで最も多い約3,100人の方が来場しました。
次に、「健幸福祉分野 健幸で自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
令和7年12月から3年間を任期とする民生委員・児童委員100名が、12月1日付けで厚生労働大臣から委嘱されます。
民生委員・児童委員が、地域福祉の担い手として円滑に活動が始められるよう支援していきます。
市民のスポーツ意欲の啓発や、持続的なスポーツ参加の促進を目的として、「第29回スポーツ・レクリエーション祭」を、先月11日にエキサイト広場及び明治公園において開催し、子どもから大人まで約300人の方がニュースポーツやeスポーツなどを楽しみました。
エキサイト広場において、「男性の目を気にせずにトレーニング機器を使ってみたい」という女性利用者の声を受けて、12月から3月までの間、休館日の午後5時まで女性限定でトレーニングルームを開放します。併せて、冬場の運動不足解消を図ってもらうため、昨年度に引き続きランニングコースを開放します。
次に、「地域経済分野 歴史・風土と新たな強みを生かした活力あるまち」について申し上げます。
先月から今月にかけて、秋の行楽シーズンに、市民団体等が主催する多彩なイベントが開催されました。
先月の「六呂師高原アルプス音楽祭」を皮切りに、「越前おおの産業と食彩フェア」や「三大朝市物産まつり」「九頭竜紅葉まつり」、今月の「結の故郷越前おおの新そばまつり」に多くの方が訪れました。
紅葉シーズンにおける観光誘客と事業者及び生活者の支援を目的に、PayPayを活用したプレミアム付きデジタル商品券「越前おおのプレミアムうぐPay」を先月28日から販売しています。
結のビジネスプランコンテスト最終審査会が、先月19日に開催され、最優秀賞に福井大学カーボンニュートラル推進本部の鈴木さん、優秀賞に大野飲食業組合の平鍋さんが選ばれました。市内での創業や事業化につながるよう、伴走支援を継続し、プランの実現を後押しします。
eプレイスおおのにおいて、東京証券取引所上場企業のグループ会社である共同コンピュータ株式会社が、奥越に居住する社員の利便性と働く環境の改善に取り組むため、大野オフィスを今月18日に開設しました。
ふるさと納税の寄付金額は、10月末時点で昨年同時期に比べて約60%増の約2億2,100万円となりました。このため、寄附金の受け入れ事務に必要な経費を計上した補正予算案を本定例会に提出しています。
中部縦貫自動車道大野油坂道路整備促進大会が、今月1日に、和泉小学校体育館において、国会議員をはじめ、国や県、沿線自治体の首長や議員、関係者など約150名の参加のもと開催されました。
大会では、工事の安全確保を前提に一日も早い県内全線開通と必要な予算確保について決議し、福井県知事から近畿地方整備局長へ提言書が手渡されました。
これに先立ち、先月28日に、国と県による中部縦貫自動車道事業費等監理会議が行われ、事業の進捗状況の確認と、新子馬巣谷橋の工事課題への対応や物価上昇による資機材・労務費の増額など、事業費増加の要因について情報共有したと公表されました。
今後も、安全な工事の進捗を願うとともに、早期の開通に向け予算が確保されるよう、関係の皆様と国への要望活動に取り組みます。
次に、「農業の振興」について申し上げます。
国は、主食用米の作柄の良しあしを示す新たな指標「作況単収指数」を公表しました。11月18日現在の福井県の指数は103で、予想収穫量は、近年との比較で増加傾向であることが示されました。
生産者の意欲を高め、おおの産米のより一層の食味向上を図ることを目的に、「越前おおのおいしいお米コンテスト」を開催しました。
特別栽培部門に19点、一般部門に23点の申込みがあり、1次審査と2次審査の結果を総合判定して、各部門の上位3点を決定しました。
選ばれた米は、米・食味分析鑑定コンクール国際大会へ出品するとともに、金賞受賞米は越前おおの農林樂舎を通して販売し、おおの産米の競争力を一層高めます。
地域の担い手農家の規模拡大や、条件が不利な農地における営農の継続、新規就農者の経営発展を図るため、国又は県事業に採択された、営農機械や設備購入の支援に必要な経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
全国的にクマの出没が多発し、中でも、東北地方で多数の人身被害の発生が報道されています。
本市においては、4月から今月19日までの出没件数は、昨年同時期の出没件数に比べ54件増の130件で、猟友会と警察などと連携して、出没対策に努めています。
このような中、昨日早朝、郊外の山際で住民がクマに襲われる人身被害が発生しました。
被害に遭われた方に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
引き続き、パトロールや住民への注意喚起を行いつつ、関係機関・団体と連携して市民の安全確保に努めます。
次に、「くらし環境分野 豊かな自然の中で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
大野市脱炭素推進会議と連携した啓発活動の一環として、6月に開催した環境フェアに続き、本年度初めて市内の小中学生を対象に「カーボンニュートラルポスターコンテスト」を開催しました。応募総数148点の中から、市長賞2点、優秀賞4点、審査員特別賞5点を選出し、先月22日に表彰式を行いました。
越美北線と乗合バスに乗る運動を進める会では、JR西日本金沢支社の協力を得て、鉄道好きの子ども向けのイベント「子鉄集まれ、ふれあいパーク」が今月9日に越前大野駅前広場で、昨年に引き続き開催され、市民をはじめ約350名が参加しました。
また、越美北線について考える講演会・座談会が明日22日に、福井市美山町の木ごころ文化ホールで開催されます。
越美北線と乗合バスに乗る運動を進める会や関係機関と連携し、市民の越美北線の積極的な利用促進に努めます。
健全な水循環に関する取組について、本市の地下水位は、稲刈りによる水田の落水時期を迎えると低下傾向となり、例年11月には水位が一番低い状態となります。これに対する対策として、本年度も10月1日から約40ヘクタールの水田湛水を実施し、地下水位の動向を注視しています。
秋から冬にかけての地下水位の低下に加え、降雪時期を迎えることから、地下水による融雪の禁止や節水の呼びかけを行っていきます。
次に、「汚水処理施設の最適化の進捗状況」について申し上げます。
より快適で安心な暮らしを支えるため、公共下水道整備区域の見直しと、農業集落排水処理区との統合を含む事業計画の変更を本年度末までに行います。
農業集落排水利用者への計測器の設置については、本年度に設置を予定している地区への説明会を、今月末までに全て完了する見込みです。また、適切な位置に計測器を設置するため、個別の現地調査や聞き取りを実施しています。
今後も、計画に沿って設置作業を進めていきます。
次に、「地域づくり分野 みんなでつながり地域が生き生きと輝くまち」について申し上げます。
大野市総合防災訓練を、先月26日に下庄小学校を主会場として実施しました。
周辺住民や関係機関・団体にご協力いただき、水難救助訓練をはじめ、住民避難訓練や避難所運営訓練、道路啓開訓練などを実施し、市民の防災意識の高揚を図るとともに、防災関係機関の災害時の応急対策を確認しました。
当日は、48行政区で避難訓練が行われ、主会場の481名と合わせ、総勢2,013名が防災訓練に参加されました。
次に、「雪に対する備え」について申し上げます。
大野市克雪市民会議を、今月10日に開催し、市民と関係機関や関係団体が互いに協力し「市民総ぐるみ」で雪に備えるため、本市の除雪体制や雪害対策を確認しました。
令和7年度大野市雪害対策計画書に基づき、市道約382キロメートル、歩道約53キロメートルなどの除雪体制を整えました。
この除雪に必要な経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
冬季の市民の日常生活及び社会経済活動に支障のないよう、雪害対策に努めていきます。
市民協働による住民自治検討委員会が取りまとめた方針案を受け、市の「市民協働によるこれからの住民自治の方針」を策定しました。
今後、区長や各地区活動団体を対象に、専門家による講演会や、公民館単位での説明会を開催し、本方針の周知を図ります。
世界を舞台に活躍する二組の兄弟アーティストによる津軽三味線とピアノのスペシャルコラボコンサートを9月28日に開催し、約370人が鑑賞され、また、先月19日から今月3日まで、「第59回大野市総合文化祭」を市内4会場で開催し、約8,500人が来場されました。
COCONOアートプレイスにおいては、虹のアーティストとして知られる靉嘔の新作を含む作品展を1月12日まで開催中であり、今月30日には、靉嘔の版画を専属で摺上げている助田憲亮氏によるトークイベントを予定しています。
1月24日からは、県内出身の書家、前田鎌利氏が制作した、書をベースとするアート作品の数々を展示します。
文化活動の発表や鑑賞の場づくりについて、文化会館閉館後においても、市民による多様な文化活動が継続して実施されるよう、文化活動団体に対する既存施設の使用感の確認や、庁内プロジェクトチームによる課題解決に取り組んでいます。
次に、「行政経営分野 結のまちを持続的に支える自治体経営」について申し上げます。
「秋の叙勲」について申し上げます。
南部隆保さんが地域総合功労で旭日単光章を、脇本正則さんが検察官功労で瑞宝小綬章を、齊藤厚さんがスポーツ振興功労・教育功労で瑞宝双光章を受章されました。
「全国的な表彰」では、永年、交通指導員として交通安全の確保や普及啓発に功績のあった加藤之英さんが、内閣府特命担当大臣が本部長を務める、交通安全功労者交通対策本部長表彰を受賞されました。
多年にわたり防犯活動に尽力し、犯罪の防止に多大な功労が認められ、森康哉さんが、公益財団法人全国防犯協会連合会会長表彰防犯栄誉銅章を受章されました。
本市の「大野の逸品創出事業」などの商品開発事業を事例とした経営革新支援事例発表が中小企業の実態に即した実践的な支援事例として高く評価され、松田博史さんが、一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会会長表彰を受賞されました。
「市政功労者表彰」及び市長特別表彰「輝き大賞」について、今月3日、表彰式を執り行い、市政功労者表彰には、地方自治の進展をはじめ、それぞれの分野において、市勢の発展に多大な貢献をいただいた13名の方々を表彰しました。
市長特別表彰「輝き大賞」には、2025年ユニバーシアードバレーボール日本代表候補に選出された山本快さんと、砲丸投げ日本新記録を樹立された奥村仁志さんを表彰しました。
受章(受賞)された皆様方の、今後ますますの御活躍を期待申し上げます。
越前おおの結ステーションと大野市まちなか観光拠点施設について、両施設の効率的な運営を目指すとともに、結ステーション駐車場の使用料金を新たに定めるための所要の改正を行います。また、大野市水に関する学習研究施設の駐車場を隣接する結ステーション駐車場と一体的に管理することを目的に、駐車場の使用料金を新たに定めるための所要の改正を行います。
このため、大野市まちなか観光拠点施設設置条例を廃止し、同施設を結ステーションの施設として統合する、越前おおの結ステーション設置条例の全部を改正する条例案と、大野市水に関する学習研究施設設置条例の一部を改正する条例案を本定例会に提出しています。
大野市ファミリーリゾート休養施設うらら館について、利用状況を勘案した開館時間などにするため、設置条例の一部を改正する条例案を本定例会に提出しています。
施設の解体に、地方交付税措置のある有利な起債が令和8年度まで活用できることから、大野市文化会館についてこれを活用し、財政負担の軽減を図りたいと考えています。このため、大野市文化会館設置条例を廃止する条例案及び解体工事実施設計に必要な経費を計上した補正予算案を本定例会に提出しています。
第六次大野市総合計画の後期基本計画(案)について、今月30日までパブリックコメントを実施しており、今後は寄せられた意見を参考に大野市総合計画審議会において審議される予定です。
また、令和8年度からを計画期間とする第五次大野市地域福祉計画(案)をはじめとする各種計画(案)について、今月末から、順次パブリックコメントを実施します。
第三期大野市総合戦略について、年内にまとめられる予定の国の総合戦略の内容を踏まえ、第六次大野市総合計画後期基本計画から人口減少対策に資する施策を抽出してとりまとめます。大野市総合計画・総合戦略推進会議で協議いただきながら、本年度中に策定します。
次に、「姉妹都市等との交流」について申し上げます。
姉妹都市である茨城県古河市と本市との友好の絆を強固にし、交流人口の拡大に寄与するため、古河市合併20周年を記念し、今月8日から9日にかけて、古河市を訪問する姉妹都市交流ツアーを実施しました。
私や髙田前議長、各種団体の代表者が一般応募の市民とともに計46名で訪問し、交流会に参加いただいた古河市の針谷市長や青木市議会議長、各種団体の代表者の方々と交流を深めました。
それでは、ただ今上程されました各議案の概要について、御説明申し上げます。
予算議案につきましては、一般会計、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険事業特別会計の補正予算案を提出し、御審議をお願いするものです。
一般会計の主なものといたしましては、これまで申し述べてきましたように、ふるさと納税の増加に対応するもの、冬期間の除雪経費、病後児保育の実施準備や小中学校の給食食材費の支援に必要な経費、文化会館の解体に向けた実施設計に係る経費など、合計4億8,561万円を追加し、予算累計額を211億1,868万9千円とするものです。
また、繰越明許費1件の設定、大野市健康保養施設をはじめとする公共施設の指定管理者に係る管理委託などの債務負担行為8件の追加と2件の変更をお願いするものです。
国民健康保険事業特別会計では、前年度の精算に伴う国や県への返還金などを、後期高齢者医療特別会計では、保険料の還付金を、介護保険事業特別会計では、第1号通所事業などに必要な経費を計上しています。
次に条例議案といたしましては、「大野市乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を定める条例案」「大野市議会議員及び大野市長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例の一部を改正する条例案」など7議案を、その他議案といたしましては、指定管理者の指定議案を6議案の計17議案を提出しています。
議案第128号大野市議会議員及び大野市長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に関する条例の一部を改正する条例案につきましては、公職選挙法施行令の一部改正等に伴い所要の改正を行うもので、その内容といたしましては、選挙運動用ポスターの1枚当たりの作成単価及び企画費、選挙運動用ビラの1枚当たりの作成単価を改正するものです。
施行日は、公布の日です。
そのほかの各議案の内容については、それぞれ担当部局長が説明しますので、慎重に御審議の上、妥当なる御決議を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

























