おおの遺産「あぶらや地蔵尊御例祭」
まちの安全を見守り続ける地蔵尊
新町区の道端に、「あぶらや地蔵尊」と呼ばれる1体の地蔵尊が祀られています。
祠に掲げられた縁起によれば、次のような由来があります。
1. 亡き娘を想い、姿をかたどった地蔵尊
かつて、新町に「あぶらや(与八)」という大きな油商がありました。商売は繁盛していましたが、ある時、一人娘を亡くすという悲劇に見舞われます。
悲嘆にくれた主人は、娘の姿を地蔵尊に刻み、日夜供養に励みました。これがあぶらや地蔵の始まりです。
2. 夢枕に立つ地蔵尊と、川からの救出
あぶらやが移転する際、地蔵尊は「ここに残って人々を守りたい」と夢で告げ、土地の人々に託されました。
その後、ある大雪の年に再び不思議な出来事が起こります。雪に埋もれ、誤って川へ投げ落とされてしまった地蔵尊が、当時の世話役の夢枕に立ち、「冷たい水から引き揚げてほしい」と助けを求めたのです。
急いで救い出された地蔵尊は、温かい湯に浸かり、新しい布団に包まれて手厚く供養されました。
3. 交通安全と「歯の痛み」にご利益
地蔵尊が町の一角に安置されて以来、町内では不思議と災厄がなくなりました。特に、交通量の多い場所でありながら一度も交通事故が起こらず、安全平和に過ごすことができました。
また、古くから「歯痛」にも霊験あらたかとされ、煎り豆をお供えして祈願すると、たちまち痛みが引くと言い伝えられています。
4. 地域の絆でつなぐ「町内鎮護」の願い
都市計画による道路拡張の際も、「元の場所から離れたくない」という地蔵尊の意思を汲み取り、現在の場所へ新しくお堂が建立されました。
現在も、厄除けや家内安全を願う多くの人々から親しまれています。
おおの遺産

「あぶらや地蔵尊御例祭」という名で、新町区で地蔵尊への法要が行われています。
・地区の顔役住民の信仰(供養)が、地区全体の信仰(祈願)に転用されている。
・炒豆を供えることで歯痛を止める信仰がある。(全国にも散見される信仰)
・地区主体で行事が営まれている。
こうした点が「大野市結の故郷伝統文化認証審査会」において評価を受け、おおの遺産への認証にいたりました。
認証日
令和8年1月23日
認証番号
29番
このページのお問い合わせ先
生涯学習・文化財保護課
福井県大野市城町9-1 学びの里「めいりん」内
電話番号:0779-65-5590
ファクス:0779-66-2885
メールアドレス:shobun@city.fukui-ono.lg.jp

























