令和3年6月定例会 提案理由説明
令和3年6月第424回大野市議会定例会の開会に当たり、最近の諸情勢や市政の重要課題の取組状況について申し述べますとともに、提案いたしました各議案の概要について御説明申し上げます。
新型コロナウイルス感染症による死亡者や重症者の発生を減らし、感染のまん延を防止するためのワクチン接種は、本市としましては、現在、65歳以上の高齢者を対象とし、行っています。
今月28日までに、個別接種と集団接種により、1回目を3,284人が接種しました。
65歳以上の接種を7月末までに完了することを目指し、今後も医療機関や県と連携して、取り組みます。
「中部縦貫自動車道」大野油坂道路の「(仮称)和泉インターチェンジから(仮称)油坂出入口」区間の延長15.5キロメートルについて、先月27日、国から令和8年春に開通する見通しが、公表されました。
「大野インターチェンジから(仮称)和泉インターチェンジ」区間の令和4年度の開通見通しと合わせ、市民の長年の悲願である中部縦貫自動車道県内全線開通という「希望の光」が、見えてまいりました。
本道路の本年度予算は、338億5,000万円で、中部縦貫自動車道の県内区間の予算としては、当初予算ベースで、昨年度を上回り過去最高となりました。
本道路は、本市にとって、「生命の道」「生活の道」「希望の道」であり、広域災害時の緊急輸送・救急医療活動の支援、冬季における安全で安心な交通確保、企業誘致や観光客の誘致など、地域経済の発展に大きく寄与するものと期待しています。
これまで、要望活動などに厚い御支援と御協力をいただきました議員各位をはじめ、市民や関係者の方々に、心から感謝を申し上げます。
1日も早い全線開通を実現できるよう要望活動を続けますので、議員各位の御支援と御協力をお願いします。
先般、西日本旅客鉄道株式会社いわゆるJR西日本は、新型コロナウイルス感染拡大により、鉄道事業が大変厳しい経営状況に置かれる中、10月のダイヤ改正に合わせ、近畿エリアで約60本、近畿以外の各エリアで約70本を見直すと表明しました。
対象路線の中に越美北線が含まれており、詳細につきましては、7月に公表されるとのことです。
越美北線は、通勤・通学や高齢者の日常の移動手段として、また、観光客の二次交通としての役割を持つことから、欠かすことのできない重要な路線であり、関係機関などへの働きかけを開始しています。
今月27日付けで、国土交通大臣と国土交通省鉄道局長に対して、地方公共交通の維持に関する国策としての特段の支援を行うよう、大野市長、大野市議会議長連名による要望書を提出しました。
また、同時に地元選出の国会議員には、国への要請を依頼しました。
来月2日には、福井市長、福井県とともに、私がJR西日本金沢支社に出向き、運行本数の維持について、要望します。
大野市議会におかれましても、ご支援とご協力をお願いいたします。
また、市民お一人お一人におかれましては、本市が実施している乗車券の購入補助の利用や「ふれあい市民号」の運行への参加など利用促進をお願いします。
「東京2020オリンピックの聖火リレー」が、3月25日に福島県をスタートし、日本列島の各地をリレーして、一昨日、福井県にやってきました。
本市においては、昨日、エキサイト広場から市役所までの2.1キロメートルを、11人のランナーで聖火を繋ぎました。
内閣府は、今月10日に避難情報に関するガイドラインを公表しました。
避難情報は、警戒レベル3「高齢者等避難」、レベル4「避難指示」、レベル5「緊急安全確保」となりました。
地方自治体としては、レベル4「避難指示」発令中に住民が確実に避難を終えるよう呼びかけます。
本年は、例年より早く5月中旬から梅雨入りとなった地域があり、北陸地方も6月上旬には、梅雨入りが予想されています。
本市といたしましては、防災体制を確認し、事前の情報収集に努めるなど、早めの対策により、被害を未然に防ぐよう万全を期しています。
本年度から第六次大野市総合計画が動き出し、SDGsの推進やニューノーマルへの適応などを盛り込んだ事業が、市民との協働で始まりました。
本市の重要課題の進捗状況について、第六次総合計画の構想実現のための六つの分野・基本目標に沿って御説明申し上げます。
最初に「こども分野 未来を拓く大野っ子が健やかに育つまち」について申し上げます。
教育委員会が、3月に大野市小中学校再編計画(案)を作成しました。
教育委員会は、この再編計画(案)を、小中学校や未就学児の保護者をはじめ、地区住民に理解を深めていただくため、今月26日から順次、説明会を開催しています。
次に、「健幸福祉分野 健幸で自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
国内の新型コロナウイルスの感染状況は、感染力が強い変異株により、若い世代にも短期間で感染が拡大している状況であり、現在10都道府県を対象に「緊急事態宣言」が発令されています。
県内においては、先月22日に発令された県独自の「緊急事態宣言」は、感染者数が減少傾向となり、今月14日に「感染拡大特別警報」へ、21日には「感染拡大警報」へと切り替わりました。
「おはなしはマスク」の引き続きの徹底や、「県内ですごす」行動を呼びかけつつ、「ふくいdeお得」と「GoToイート」の消費喚起事業が再開されました。
市内においては、先月15日から昨日までに18人の方の感染が確認されました。
この間、大野市新型コロナウイルス対策本部会議を計7回開催し、市民への広報・啓発や市有施設での対処について協議するとともに、庁内の業務継続計画の確認を行いました。
決定事項は、迅速に市のホームページやLINE大野市公式アカウントにより市民にお知らせし、注意喚起を行いました。
市が関わるイベントや行事などは、感染拡大の状況を踏まえ、「九頭竜新緑まつり」や「おおの城まつり」などは、中止となりました。
「第57回越前大野名水マラソン」は、市民大会のみ中止とし、オンラインマラソンを開催しました。
オンラインマラソンは、携帯電話のアプリを使用し、それぞれのランナーが完走を目指すもので、北は北海道から南は沖縄県まで、全国47都道府県、1,650人が完走されました。
また、低所得の子育て世帯に対する児童1人当たり5万円の給付や、市内の消費の喚起を目的とするプレミアム付商品券を販売するための経費、新しい生活様式に対応するため、デジタル化の推進を目的とするマイナンバーカードの普及事業、小中学生のクラブ活動の継続を支援する事業などの経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
次に「健康のまちづくりの実践」について申し上げます。
本年度も「おおのヘルスウォ-キングプログラム」を実施しており、本日まで参加者を募集しています。
参加者は、来年1月まで活動量計を携帯して自分のペースでウォ-キングし、楽しみながら健康づくりに取り組みます。
次に、「地域経済分野 歴史・風土と新たな強みを生かした活力あるまち」について申し上げます。
まず、「中部縦貫自動車道の整備」について申し上げます。
工事の進捗状況について、「大野・大野東区間」では、真名川橋で、左岸の橋台と橋脚4基の工事のほか、JR越美北線を跨ぐ、田野跨線橋の橋台工事が、進められています。
また、大野東インターチェンジで、下唯野ランプ橋工事の準備が、進められていると伺っています。
「大野東・和泉区間」では、残る2本のトンネルのうち、荒島第2トンネルは、先月末現在、約58%に当たる2,890メートル、和泉トンネルは約45%に当たる1,085メートルまで掘り進んでいます。
「和泉・油坂区間」では、此の木谷橋、新子馬巣谷橋などの橋台や橋脚工事が進められているほか、新長野トンネルや大谷トンネルなど4本の掘削工事が進められています。
また、新たに東市布トンネルの本格的な掘削工事に向けた準備が始まっていると伺っています。
引き続き、大野油坂道路の1日も早い全線開通に向け、国、県に対し全面的に協力します。
次に、「道の駅 越前おおの 荒島の郷」について、申し上げます。
計画段階から、たくさんの方々にご支援、ご協力をいただき整備を進めてまいりました本道の駅が、先月22日に開駅しました。
当日の式典には、多くのご来賓の方々にご臨席賜り、この場をお借りしまして、心より感謝申し上げます。
開駅前からマスコミなどに多く取り上げられ、開駅後、連日にわたり、たくさんの方に訪れていただき、本日までの来場者累計数は、直売所やフードコートがある地域振興施設だけで16万人を超え、盛況な滑り出しとなりました。
次に、「企業誘致」について申し上げます。
富田産業団地の全区画、約12ヘクタールの分譲を先月より開始しました。
災害リスクの少なさや、中部地方から近畿地方までのエリアの中央に位置する優位性に加え、中部縦貫自動車道の県内全線開通時期が示されたことで、企業が日本海側に新たな製造や物流の拠点として、具体的に進出を計画することが可能となりました。
県とも十分に連携をとり、早期分譲に繋がるよう誘致活動を進めます。
次に「周遊滞在型観光」について申し上げます。
先月6日、大野市・勝山市・永平寺町を主なエリアとする「九頭竜川・荒島岳」が、自転車や登山、カヌーで巡るジャパンエコトラックに、県内で初めて登録されました。
この登録に合わせて、沿線の2市1町が協力し、スポーツタイプの自転車をレンタルする「九頭竜ぐるっとペダル」を開始しました。
また、昨年度に国内大手旅行会社と連携し、メニューの造成や磨き上げを行った観光体験メニューのうち12件を、国内大手の旅行用サイト「じゃらんネット」に掲載しています。
全国放送されたテレビアニメとのコラボレーションによる観光PRも行っています。
勝原駅やエキサイト広場など、本市がアニメの舞台となった「2.43清陰(せいいん)高校男子バレー部」のキャラクター6人を、大野市の風景をバックに描いた市独自のポスターとして作成し、県内観光施設に掲示しました。
次に、「農業振興」について申し上げます。
農業生産組合や認定農業者、新規就農者などが行う新たな取り組みや規模拡大に係る施設、機械設備の整備など、国や県の採択を受けた事業に必要な経費を計上した補正予算案を本定例会に提出しています。
次に、「有害鳥獣対策」について申し上げます。
本年は、例年に比べクマの出没時期が早くなっており、先月19日にクマの痕跡が、確認されてから今月28日までに、痕跡情報や目撃情報が5件寄せられています。
これまで同様に猟友会や警察など関係機関と連携して迅速に対応し、市民の安全確保に努めます。
次に、「くらし環境分野 豊かな自然の中で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
本市は、本年3月に「ゼロカーボンシティ」を宣言しました。
脱炭素の動きに関しましては、先月22日、気候変動サミットにおいて、菅総理が、「2030年における温室効果ガス排出量について、2013年度比46%減を目指す」と発表し、従来の26%減から上乗せした目標を掲げました。
国内では、内閣官房が設置した「国・地方脱炭素実現会議」が設置され、私もその委員を務めさせていただいています。
先月20日の第2回会議で、本市における公共施設の太陽光発電や、木質バイオマスを活用した林業振興などを説明しました。
本市においては、庁内プロジェクトチームを結成して、新たな施策の検討を進め、脱炭素への取り組みを展開します。
次に、「本願清水イトヨの里」について申し上げます。
9月30日に本願清水イトヨの里において、開館20周年を記念する全国トゲウオ保全シンポジウムを開催します。
基調講演と全国各地でのトゲウオの保護を通じた環境保全活動に取り組む団体の事例発表や、パネルディスカッションなどを行います。
シンポジウムに必要な経費を計上した補正予算案を本定例会に提出しています。
次に、「地域づくり分野 みんなで地域が生き生きと輝くまち」について申し上げます。
まず、「地域ごとの課題解決に向けた話し合い」について申し上げます。
人口減少、少子化・高齢化の進展により、地区団体の役員の担い手が不足し、地域で活動している方の負担感や不安感が大きくなっています。
地域ごとに課題が異なるため、課題を話し合う場をどのように設け、どのように進めるとよいか、本年1月から各地区で最初のご説明を行ってきました。
この取り組みは、始まったばかりであり、地域の現状を正しく理解して、支え合い助け合うコミュニティの形成を図り、ずっと住み続けられるまちとするため、今後も話し合いを継続し、10年先を見据えた具体的な取り組みにつなげます。
次に、「文化財保存活用地域計画」について、申し上げます。
教育委員会は、市内に所在する多種多様な文化財を幅広く捉え、周辺環境まで含めた文化財の一体的な保存活用の取り組みを明確化するため、「大野市文化財保存活用地域計画」の策定に取り組んでいます。
身近にある古い建物や伝統行事など地域の文化財を後世に残していく大切さと、それらを生かした地域の活性化に繋げていく方法を、市民と一緒に考えていくため、来月26日に「未来につなぐ大野の文化財」と題するシンポジウムを開催します。
次に、「広域防災訓練」について申し上げます。
先月7日に、道の駅「越前おおの 荒島の郷」で、多数の防災関係機関や災害時応援協定団体のご協力をいただき、広域防災訓練を開催しました。
今回の訓練において、ヘリの離発着訓練や傷病者引継訓練などを実施し、被災地域を支援するための救助活動拠点となる道の駅の防災機能を確認しました。
次に、「消防行政」について申し上げます。
「災害に強いまちづくり」を推進するため、耐震性防火水槽や消防用車両、消防緊急通信指令システムなど、防災・消防基盤の整備を進めています。
本年度予定した、消防署と、消防団の消防ポンプ自動車の更新につきましては、売買契約の締結に関する議案を本定例会に提出しています。
先月7日の「広域防災訓練」と、先月11日の「消防総合訓練」に参加していただいた福井県ドクターヘリについては、今月24日から運航が開始され、医師による早期の治療開始が可能となりました。
次に、「行政経営分野 結のまちを持続的に支える自治体運営」について申し上げます。
まず、「春の叙勲・褒章」と「表彰制度の活用」について申し上げます。
先月、政府は、令和3年春の叙勲・褒章の受章者を発表しました。
本市においては、大島定子さん、島口敏榮さんが旭日双光章を、北川良憲さんが旭日単光章を、杉田賢造さんが瑞宝双光章を、川端美千代さんが瑞宝単光章を、危険業務従事者叙勲においては、中村和男さんが瑞宝単光章を受章し、原公子さんが藍綬褒章を受章されました。
また、飯田俊市郎さんが日本商工会議所の経営改善普及事業発足60周年記念表彰の役職員功労者として中小企業庁長官表彰を、大野おはなしの会が子供の読書活動優秀実践団体として文部科学大臣表彰を、農事組合法人グリーンコーポ麻生島が優良なそば生産団体として日本蕎麦協会の全国蕎麦製粉協同組合理事長賞を、大野商工会議所青年部の「結の花火プロジェクト」の取り組みが日本商工会議所青年部のYEG大賞の準大賞を受賞されました。
各賞に受賞されました皆様の各分野における長年の御活躍と御尽力にあらためて敬意を表しますとともに、今後益々の御活躍を心よりお祈り申し上げます。
次に、大野市総合計画・総合戦略会議の第1回の会議を今月26日に開催し、市議会、学識経験者や各界各層の方で構成する委員にご出席いただきました。
今後、委員の皆様からご意見をいただきながら、計画の進捗状況を検証し、来年度の取り組みに反映していきます。
次に、「行政のデジタル化」への取り組みについて申し上げます。
行政のデジタル化を推進することにより、限られた職員数と予算の中においても、市民に必要なサービスを提供し続けられる体制を整備します。
庁内プロジェクトチームにより、会議資料などのペーパーレス化の作業に着手しており、事務事業の洗い出しや課題の抽出に当たっています。
なお、大野市議会におけるペーパーレス化に関しましては、タブレット端末などが議会と理事者の双方に使いやすいものとなることが大切であり、市議会として方針をまとめていただけるよう提案させていただいたところです。
次に、第三者委員会の3回目の会議が、今月26日に開催され、慎重な審議が進められています。
委員会で出された意見などを参考に、職員倫理規定の改正や手引きの作成作業などを並行して進めています。
それでは、ただ今上程されました各議案の概要について御説明申し上げます。
予算議案につきましては、一般会計の補正予算案を提出し、御審議をお願いするものです。
主なものといたしましては、星空保護区認定に向けた六呂師地区における防犯灯の整備経費や旧和泉支所の解体工事に係る経費、また、新型コロナウイルス感染症対策に係る事業など合計2億6,732万2千円を追加し、予算累計額を172億4,960万3千円とするものです。
次に、条例議案といたしましては、「大野市国民健康保険税条例の一部を改正する条例案」など3議案、その他議案といたしましては、議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例の規定による「売買契約の締結議案」が2議案、専決処分の議案が4議案、計6議案について提出いたします。
各議案の内容につきましては、それぞれ担当部局長が説明しますので、慎重に御審議の上、妥当なる御決議を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。