令和6年6月定例会 提案理由説明
令和6年6月第439回大野市議会定例会の開会に当たり、最近の諸情勢や市政の重要課題の取組状況について申し述べますとともに、提案いたしました各議案の概要について御説明申し上げます。
本年7月1日に市制施行70周年を迎えるに当たり、本年度1年間を通して、市民や団体、企業、行政による多種多彩な事業が実施されています。
これまでに実施された事業は、市民自主事業では、株式会社南部酒造場による70周年記念ボトル入りの清酒の予約が先月から開始されているほか、AR企画によるシャンソンコンサートや、トレモロによるオペラコンサートが先月開催されました。
市主催事業では、「大野市大火記念日」を継承するため、先月、防火パレードならびに夜間広報巡回や、大野市消防団設立70周年記念式典及び大野市消防総合訓練を実施しました。
今月12日には、ゲストに五木ひろしさんと中村美律子さんを迎えて、文化会館で開催された「NHKのど自慢」が全国に生放送されました。20組25人に、自慢ののどを披露していただきました。
また、昨日、第60回越前大野名水マラソンを開催し、市内外から多くのランナーをお迎えしました。
今後開催される事業につきましても、市民総参加で記念事業を盛り上げることができるよう、広報紙や市ウェブページなどを活用して広く周知していきます。
市民や多様な主体との協働・連携により、「いつまでも ともに」「100年先も誇れる大野市」を創り上げていく機会にしていきます。
本市出身のスポーツ選手が活躍しています。
先月クロアチアで開催された卓球の世界ランキング上位を目指す若手選手などを対象とした国際大会で、大藤沙月さんが、女子シングルスとダブルスで優勝しました。
今月17日から神戸市で開催されました、世界パラ陸上競技選手権大会において、伊藤竜也さんが、男子400メートル(車いすT52)で銅メダルを獲得し、パリ・パラリンピックの日本代表に内定されました。
本市出身選手のさらなる御活躍を期待します。
国においては、物価高騰による負担を緩和するため、新たに住民税非課税世帯となる世帯及び住民税均等割のみ課税世帯に対して、1世帯当たり10万円と児童1人当たり5万円を給付する低所得者支援が実施されます。
また、令和6年分所得税と令和6年度分個人住民税の定額減税が行われます。その際、定額減税しきれなかった方に定額減税補足給付が実施されます。
さらに、「こども未来戦略加速化プラン」を進め、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化として、児童手当制度が改正され、支給期間の高校生年代までの延長、所得制限の撤廃、第3子以降の多子加算の拡充、支払月の回数の増加などが予定されています。
本市におきまして、これら国の制度に対応するため、低所得者等への給付や本年10月分からの児童手当の増額などに必要となる経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
それでは、令和6年度における主な施策について、第六次大野市総合計画基本構想の六つの分野の基本目標に沿って御説明申し上げます。
最初に、「こども分野 未来を拓く大野っ子が健やかに育つまち」について申し上げます。
「(仮称)大野市子ども・若者計画」の策定に当たり、子育て世代のニーズを取り入れた計画とすることが大切です。
本日開催される大野市公立保育園保護者連合会役員との意見交換会でいただく意見とともに、本年2月に実施した子ども・子育てに関するニーズ調査結果や大野ですくすく子育て応援パッケージの検証結果を参考にし、大野市子ども・子育て会議からのご意見をいただきながら計画案を取りまとめていきます。
教育委員会は、「子ども・子育て支援に関する情報発信の強化」として、今月上旬に全戸配布した「大野ですくすく子育て応援パッケージ」の冊子に、取組みごとに市ウェブページのQRコードを掲載し、情報をより早く、確実に入手できるようにしました。
また、こどもまんなか応援サポーターの趣旨に賛同する民間事業所からの協力を得て、「結婚・子育てハンドブック」を作成し、来月下旬に市内保育所、認定こども園などで配布すると伺っています。
「屋内型子どもの遊び場」について、本施設が永く親しまれるよう、市内の小学生を対象に、今月から施設の愛称の募集を始めました。
決定した愛称の商標登録や、施設の管理運営に必要な備品整備などに係る経費を計上した補正予算案と、その財源として活用するため「真柄福祉基金設置条例の一部を改正する条例案」を、本定例会に提出しています。
小中学校の再編につきましては、新開成中学校と新陽明中学校が4月から、新たな体制でスタートしました。
先月8日に挙行された2校の入学式において、新しい仲間と新たなことに挑戦する生徒の皆さんに、エールを贈りました。
本年度は、大野市小中学校再編計画に沿って令和8年4月に小学校を9校から7校に再編する準備が始まります。
教育委員会は、今月23日に、第1回小学校再編準備委員会を開催し、協議内容やスケジュール、各学校の現状などが確認されました。
今後、通学方法や事前交流活動などさまざまな項目について、協議していくと伺っています。
令和5年度から取り組んでいる開成中学校と陽明中学校、下庄小学校の改修に加え、本年度は、有終南小学校と富田小学校の改修に係る実施設計を行います。
実施設計事業者をプロポーザル方式により選定しましたので、教職員や保護者などの意見も参考にしながら、新しい時代の創造的な学習空間の整備や、環境負荷・コスト削減に配慮した改修を検討していきます。
次に、「健幸福祉分野 健幸で自分らしく暮らせるまち」について申し上げます。
先ほど申し上げましたが、昨日、第60回越前大野名水マラソンを開催し、市内、県内はもとより全国各地から参加された3,077人のランナーが出走しました。
ゲストランナーには、アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずきさんをお招きしました。前日のマラソン教室の講師をはじめ、5キロ種目への参加や表彰のプレゼンターなどを務めていただき、大会が大いに盛り上がりました。
おおのヘルスウォーキングプログラムは、昨年度からの継続者に新規参加者を加え、2,930名が参加して7月からスタートします。
スムーズなスタートが切れるよう、7月には正しい歩き方講座を、8月には専用アプリの活用方法の支援を実施します。
9月から翌年1月まで、新たなキャンペーンを行い、歩くモチベーションを維持しながら健康づくりができるよう取り組んでいきます。
熱中症対策の強化のため、昨年改正された気候変動適応法が、本年4月に施行されました。
これまで発令されていた「熱中症警戒アラート」が法に位置づけられ、さらにより深刻な健康被害が発生するおそれがある場合に発令される、「熱中症特別警戒アラート」が創設されました。
福井県に熱中症特別警戒アラートが発表された場合は、市は速やかに市民に伝達するとともに、外出時に暑さをしのいで休息できる場所「クーリングシェルター」を指定します。なお、同じ場所を平時から「涼み処」として市民に開放し、熱中症特別警戒アラート発表時は速やかにクーリングシェルターに切り換えます。
来月1日に実施される「福祉ふれあいまつり」に併せて、大野市身体障害者連合会と共催で「大野市身体障害者福祉大会」を開催します。
また、地域共生社会の実現を目指す取組みとして、人工呼吸器を使いながら地域で自立した生活を送る方のドキュメンタリー映画の上映会を開催し、多様性を認め合い、共に暮らしていくインクルーシブ意識を醸成します。
次に、「地域経済分野 歴史・風土と新たな強みを生かした活力あるまち」について申し上げます。
福井県観光連盟が実施する観光アンケートのオープンデータによりますと、北陸新幹線金沢・敦賀間開業後の東京からの本県への入り込み割合が増加しており、中京や関西からの入り込み割合の増加にも、効果が波及しているとのことです。
本市におきましては、4月の越前大野城の入場者数が前年同月比約54パーセント増の8,753人となるなど、主な観光施設での入り込み数が増加しました。
道の駅「越前おおの 荒島の郷」の累計来場者数が、3月22日に200万人を突破しました。
先月20日、21日には「道の駅3周年祭」が開催され、旬の山菜の販売や越前こぶし組による人力車体験、パフォーマンスショーなどが行われ、市内外から多くの来場者で賑わい、4月の入場者数は、前年同月比約11パーセント増の65,874人となりました。
「スターランドさかだに」では、ジャズの生演奏などを楽しみながらそばを食するイベントや、再開1周年を記念した「スタランフェスタ2024」が開催されました。
道の駅「九頭竜」では、4月入場者数が、前年同月比約18パーセント増の13,096人となりました。
中部縦貫自動車道大野油坂道路の整備にかかる国の本年度当初予算では、209億3千万円が配分されました。
これまでの関係各位のご尽力に感謝を申し上げます。
工事の進捗状況は、令和8年春の県内全線開通に向け、九頭竜・油坂間のトンネル6本のうち、先月11日に川合トンネルが新たに貫通いたしました。
橋梁は、20橋のうち石徹白川橋、水谷橋が上部工まで完成し、此の木谷橋、新子馬巣谷橋、新林谷橋など18橋の工事が鋭意進められています。
整備促進に向けた要望活動といたしましては、来月7日の中部縦貫・北陸関東広域道路建設促進同盟会の提言活動や、大野市議会中部縦貫自動車道等交通対策特別委員会による要望活動に同行するほか、全国高速道路建設協議会、中部縦貫自動車道建設促進福井県協議会、中部縦貫自動車道大野油坂道路整備促進連絡協議会が行う要望活動などへ積極的に参加します。
本市は、大野市農業再生協議会とともに市全体で需要に沿った生産調整に取り組んでおり、各地区の区長や農家組合長などをはじめ、関係機関の協力を得て、来月18日までの予定で現地確認を実施しています。
担い手農家の機械導入や新たな営農技術の導入、新規就農者への経営支援など、国や県の施策に採択された事業の経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
「旧宝慶寺いこいの森」施設譲渡につきましては、昨年度選定した譲渡先候補者から辞退の申し出があり、譲渡先としての選定を取り消しました。
都市農村交流や地域振興に有効活用できる施設として、譲渡先を再公募する手続きに必要となる経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
「巨木を語ろう全国フォーラム 福井・大野大会」の開催につきましては、今月13日に実行委員会を開催し、開催日を9月28日と29日の2日間と決定しました。
今後、フォーラムの開催に向けて準備を進めていきます。
次に、「くらし環境分野 豊かな自然の中で快適に暮らせるまち」について申し上げます。
4月からプラスチック資源の分別回収が始まりました。新たな分別方法と収集日の変更に対し、市民の理解を得ながら、4月分は960kg回収することで、ゴミの資源化を図ることができました。
本願清水イトヨ生息地は、昭和9年5月1日の天然記念物指定から今年で90周年を迎えました。
これを記念し、来月2日まで、本願清水イトヨの里において、昭和初期から今日までを振り返る写真展を開催しています。
4月から、新たな体系のもとで公共交通の運行が始まりました。
まちなか循環バスは、乗車数が前年同月比約16パーセント増の1,037人となりました。
新たに始めた乗合タクシーの会員制度は、会員が4月末時点で37名と徐々に制度が浸透してきています。
「越美北線と乗合バスに乗る運動を進める会」の総会を4月26日に開催し、本年度の取組み内容などについて確認しました。
取組みの一つとして、花桃の開花時期にあわせて、越美北線の乗車運賃を助成する「春のふれあい市民号」を企画し、106名の市民が利用しました。
また、JR西日本金沢支社が、同期間の土曜日、日曜日に九頭竜湖駅まで臨時列車を運行されました。
農業集落排水施設につきましては、昨年より、施設の最適化について各処理区維持管理組合や地域住民に対し、70回の説明会を開催し、理解と協力を求めてきました。
また、市内の水道事業につきましては、「大野市営水道事業基本計画」に基づき、富田地区の4つの簡易水道施設の統合について、本年3月より地域住民に対し、説明会を開催しています。
次に、「地域づくり分野 みんなでつながり地域が生き生きと輝くまち」について申し上げます。
民地などにおける除排雪時の死傷事故を防止し、雪に強い安全安心な地域づくりを進めるため、「大野市地域安全克雪方針」を策定しました。
担い手の育成と確保による地域ぐるみでの除排雪体制の維持拡大などを重点的な取組みとし、地域、事業者、行政などが除排雪に係る課題等を共有し、目標の達成に向け、必要な取組みを進めていきます。
各地区の住民による取組みを継続し、さらに地域の特色を活かし、住民がつながる場所づくりを進めるため、大野ならではの「公民館」の活かし方の検討を開始します。
アドバイザーによる研修や先進地視察など、必要となる経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
旧乾側小学校の跡地活用につきましては、地区住民で構成される乾側小学校跡地活用検討会と協議を重ね、跡地を活用した「(仮称)乾側地域交流センター」の整備基本計画を策定しました。
また、旧乾側小学校・幼稚園跡地につきましては、令和9年度の借地返還に向けた取組みを進めており、園舎とプール、木造校舎の解体工事に本年度着手します。
施設の整備や、グラウンド及びプール跡地を水田に復元する実施設計を行うために必要となる経費を計上した補正予算案を、本定例会に提出しています。
COCONOアートプレイスでは、「1枚の絵を手に」と題する企画展を開催中であり、市内在住のコレクターが永年にわたって集めた貴重な作品の数々を、来月23日まで展示しています。
文化会館のあり方につきましては、昨年度複数の整備案ごとに各種法律との適合性や概算事業費及びランニングコストについて調査しました。その結果について、先月30日に開催した文化会館あり方検討委員会に報告しました。
同検討会では、秋頃までに2回の協議を行い、意見を取りまとめていく予定です。
令和6年能登半島地震とその余震を受け崩落した、「越前大野城跡」武具蔵跡の石垣の修復につきまして、福井県の補助を受け、今月修復工事に着手しました。
7月末の完成を目指します。
次に、「行政経営分野 結のまちを持続的に支える自治体経営」について申し上げます。
春の叙勲では、川田重一さん、木下善博さん、松田惣一さんが旭日単光章を、臼井 淳さん、金森睦麿さんが瑞宝双光章を、多田繁男さん、松田 勉さんが瑞宝単光章を受章されました。
危険業務従事者叙勲では、高野清彦さんが瑞宝双光章を、黒谷武彦さんが瑞宝単光章を受章されました。
全国的な表彰では、本多義信さんが消防功労者消防庁長官表彰と、公益財団法人日本消防協会より日本消防協会長表彰の功績章を受章されました。
同じく日本消防協会より安田啓一さん、佐々木善市さん、内田裕美さんが、日本消防協会長表彰の精績章を受章されました。
誠におめでとうございます。
受章された皆様方の、今後ますますの御活躍を期待申し上げます。
令和8年度から12年度までの5年間を期間とする第六次大野市総合計画後期基本計画の策定に当たり、各界各層の委員で構成する大野市総合計画審議会を来月26日に開催し、策定までのスケジュールの確認や、詳細な検討を行う組織である大野市総合計画幹事会の設置を協議します。
本年度は、市民意識調査や市民とのワークショップを通して、前期基本計画の施策の効果や課題の分析を行います。
人口減少を直視し、市民や団体が地域づくりを我が事として捉え、行動し協働していくことができる計画の策定を目指します。
それでは、ただ今上程されました各議案の概要について、御説明申し上げます。
予算議案につきましては、一般会計、介護保険事業特別会計の補正予算案を提出し、御審議をお願いするものです。
一般会計の主なものといたしましては、これまで申し述べてきましたように、国の新たな経済に向けた給付金・定額減税の一体措置に係る低所得者支援及び定額減税補足給付金給付事業や、国の「こども未来戦略加速化プラン」に基づく児童手当制度の拡充、国・県の補助事業の確定に伴う福祉施設・介護施設等への物価高騰対策支援、新規就農者や中山間地域営農対策への支援など、合計6億2,433万9千円を追加し、予算累計額を220億433万9千円とするものです。
介護保険事業特別会計では、制度改正に伴う介護保険システム改修にかかる経費を計上し、予算累計額を41億3,652万8千円とするものです。
次に、条例議案といたしましては、「真柄福祉基金設置条例の一部を改正する条例案」の1議案、その他議案といたしましては、専決処分の承認議案を3議案提出しており、合計6議案について御審議をお願いするものです。
各議案の内容については、それぞれ担当部局長が説明しますので、慎重に御審議の上、妥当なる御決議を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。