全国トゲウオ保全シンポジウム in 結の故郷 越前おおの が開催されました
「イトヨから進化に迫る」国立遺伝学研究所 北野 潤教授の基調講演のほか、県内外の保護事例の発表でトゲウオ保全の大切さを発信しました。
9月30日(木曜日) 本願清水イトヨの里開館20年を記念して、全国トゲウオ保全シンポジウム in 結の故郷 越前おおの が学びの里めいりんにて開催されました。残念ながら、コロナ禍のため、規模を縮小しての開催となりました。
まず、国立遺伝学研究所の北野 潤教授が「イトヨが海から淡水へなぜ進出できたのか」イトヨが持つ驚くべき体の能力を発見した最新の研究を紹介し、わかりやすく基調講演をされました。
つづいての事例発表では、岐阜県海津市ハリヨ保存会 会長 森敏雄氏が、ハリヨが生息する池の水路の清掃や鳥害対策などの活動を報告し、「自然のままがよいと放置していてはハリヨは減少してしまう。共存するためには人間による適正関与が必要」と発表されました。
2事例目の大野市開成中学校生徒会は、生徒7名が、今年イトヨ観察池の浚渫にともなって行われたイトヨの引越し作業に参加した際の様子を実演を交えながら報告し、「イトヨと故郷を結の心で守りたい」と頼もしい言葉で発表を締めくくりました。
ロビーでは、今年で発足25周年を迎える大野イトヨの会とイトヨの里が、合同で、今日までの軌跡を写真や年表にして展示しました。イトヨの里が校区にある有終南小学校3年生のみなさんも、今年度イトヨの里で行った総合の学習をもとに創作したお話に挿絵をつけて展示に協力してくださいました。
プログラムの最後は、森館長がコーディネーターとなり、トゲウオ保護や自然環境保護を行っている団体や個人の方々とのパネルディスカッションが行われました。パネラーの佐々木健氏は岩手県大槌町よりリモートでご参加いただきました。各地域における保護の取り組みや、課題を報告しあい、意見を交換しました。森館長は、今後もトゲウオや自然環境保護、湧水保全などそれぞれの立場で活動を継続し、地域の宝物として次世代に継承していきましょうと発言しました。
シンポジウムプログラム
基調講演 国立遺伝学研究所 北野 潤教授
事例発表1 岐阜県海津市ハリヨ保存会会長 森 敏雄氏
事例発表2 開成中学校生徒会の皆様
パネルディスカッション
会場前展示 本願清水イトヨの里と大野イトヨの会合同展示
会場前展示 有終南小学校3年生「総合の学習」の発表