【特集】分けて、減らして、未来を守る。
※本ページの掲載内容は、広報おおの令和7年12月号に掲載された情報を、ウェブ用に再編集したものです
ごみから見える、私たちの選択

朝、台所でごみ袋を手に取り、何気なく捨てたその一袋の中には、昨日の食事の残りや使い終えた紙くず、ペットボトルなど、私たちの暮らしの断片が詰まっています。その積み重ねが1年で9266トン。市民一人一人の「少し」が集まると、市全体では想像以上の量になります。
ごみは、捨てた後も多くの人の手を経て、処理されています。早朝からごみステーションを回る収集業者の皆さんや安全に処理を行うビュークリーンおくえつの職員。見えないところで働く人たちの努力によって、私たちの暮らしは清潔で安全に保たれています。
この特集では、数字で見る本市のごみの実態に加え、現場で働く人たちの声や、ごみの出し方のポイントを紹介します。
ごみを分別する、削減する。少しの心掛けが、次の世代にきれいな環境を引き継ぐ行動になります。ごみと向き合うことは、未来と向き合うこと。今一度、ごみの出し方をチェックしてみませんか。
数字で見る大野のごみ
(1) 年間9266トン
市民が1年間に出すごみの量は、合わせて9266トン。1人当たりに換算すると年間約310キログラム、1日848グラムです。

(2) 1人当たり年間約2万円
ごみを集め、運び、処理するには費用がかかります。年間6億3487万円、市民1人当たりに換算すると、年間2万1207円です。
分別を徹底し、ごみを減らすことは、税金の有効活用につながります。
(3) 26万リットルの灯油を使用
ごみを燃やすにはエネルギーが必要です。可燃ごみ1トンを燃やすのに灯油2.32リットル。年間では約26万リットル、給油タンク車約130台分もの灯油を使用しています。
ごみを減らし、燃やす量を減らすことができれば、燃料費や二酸化炭素(CO2)を削減することができます。
(4)「ひと絞り」で15パーセントのごみを減らせる
可燃ごみの中で一番多いのは生ごみで、年間2743トン。その約60パーセント、1645トンが水分で、ごみと共に燃やしています。台所で生ごみの水をしっかり絞るだけで、ごみを15パーセント(年間1371トン、1人当たり1日125グラム)減量できます。
また、ごみの焼却にかかる燃料費の削減効果は市全体で年間556万円※になります。
※湿度やごみの燃えやすさによって変動します。
(5) 905トンのごみを資源に変えられる
市内で1年間に出たごみの約10パーセントに当たる905トンは、本来なら資源となる紙類や缶類、ペットボトルなどでしたが、分別不足や汚れのためリサイクルできませんでした。洗う・分けるの「ひと手間」で、ごみが資源に変わります。
また、資源としてリサイクルすれば、最終処分場に埋め立てるごみの量を減らすことができ、処分場の寿命を延ばすことにもつながります。

まちのきれいを支える手
朝早くから各地区を巡るごみ収集車。収集作業員の皆さんは、各地区のごみを回収し、まちの清潔な環境を保つために日々作業を続けています。
市では、3社がごみ回収をしています。今回は忠南環境株式会社に協力いただき、「不燃・ビン類」のごみ収集の現場に密着取材しました。
ごみ収集作業員の1日

ミーティング・健康観察(午前7時40分)
1日の始まりは作業員自身の安全確認から。当日の収集ルートや作業員の体調をチェックします。
出庫(午前7時50分)
車両点検の後、2人1組で出発。
収集開始(午前8時)
各ごみステーションを回りながら、袋を確認し、積み込みます。
こんなごみは出さないで!
回収対象外のビン
ビール瓶や茶色の一升瓶が出されていました。回収できないものは警告シールを貼り、ごみステーションに残します。バラバラの電池
電池は回収しやすいよう透明の袋に入れてください。
※発火防止のため、使い切ってから捨ててください(ボタン電池とコイン電池はセロテープやビニールテープで絶縁する)農機具が入った肥料袋
作業員の安全のため、中身の見えない袋でごみを出さないでください。
農機具や農業用品はごみとして出せません。許可業者に依頼してください。車の部品、会社のヘルメット
自動車部品は販売店に、産業廃棄物は許可業者に処分を依頼してください。- 分別されていないごみ
異なる分類のごみが混ざっていると、分別に手間がかかり、収集の遅れにつながります。
分別を守ってもらえると、作業が早く、安全に進められます。
ビュークリーンおくえつへ搬入、再び収集へ(午前10時)
収集したごみをビュークリーンおくえつへ搬入。収集が終わるまで、各地区を往復して搬入します。
収集車洗浄(午後3時)
車両を清潔な状態に保ち、翌日の収集に備えます。
日報作成、業務終了(午後4時30分)
地域の皆さんの「ありがとう」の声が力になります!
資源を無駄にしないための分別ポイント
ペットボトル
・キャップとラベルを外し中をよく洗う
・汚れが落ちないものやPETマークがついていないものは「可燃ごみ」に
缶類
・中をよく洗う。スプレー缶は中身を使い切って、穴を空ける
・4リットルを超えるオイル缶や塗料缶、一斗缶、ガソリン携行缶は「不燃ごみ」として出す
・ドラム缶は「販売店」に出す
ビン類
・キャップを外し中をよく洗う
・食料品以外のビン(化粧品、薬品、インク類など)は「不燃ごみ」に
・ビール瓶や茶色の一升瓶は「販売店」に出す
収集現場からのお願い
ビンと不燃ごみは袋を分ける
ビンと不燃ごみは、ビュークリーンおくえつで別の工程で処理されます。ごみステーションに出すときは別々の袋に入れてください。
危険物を入れる場合は袋に品名を書く
作業員の安全を守るため、危険なごみを出す場合は、丈夫な袋に入れ、「刃物」「ガラス」など品名を記入してください。
正月明けのごみ出しにご注意を
正月明けは可燃ごみの量が多く、収集が遅れる場合があります。収集車が来る前に次の日のごみを出さないでください。取り残しやさらなる遅れの原因になります。
ごみの「その後」を守る仕事

収集されたごみは、ビュークリーンおくえつで焼却・処理されています。 事故なく、安全にごみが処理されるために、市民の皆さんに知っておいてほしいポイントを、ビュークリーンおくえつの職員に聞いてみました。
Q.分別の注意が必要なごみは
A.特に気を付けてほしいのは、モバイルバッテリーやリチウム蓄電池などの小型充電式電池です。令和6年度は37件の火災がごみ処理の過程で発生しましたが、その火災の多くが充電式電池の発火によるものと思われます。
最近は小型家電にも内蔵されているため、誤って不燃ごみとして出される例が増えています。
小型充電式電池はごみとしてビュークリーンおくえつに出すことはできません。処分フローチャートに従って処分してください。
Q.分別の参考になる資料はありますか
A.令和6年3月に「ごみの出し方早見表」を改訂し、全戸配布しています。品目ごとにごみの分類とごみステーションへ出す基準などを確認できます。
早見表は環境・水循環課で配布しているほか、ホームページにも掲載していますので、分別に悩んだら必ずチェックしてください。
Q.年末のごみの出し方で注意することは
A.年末の大掃除の時期はごみの持ち込みが増え、大変混雑します。年末になる前にごみを持ち込むか、ごみステーションで日頃からこまめにごみを出すことをお勧めします。
また、ごみを持ち込む際は、分類別に車に積み込んでおくと、施設でのごみ搬出がスムーズになります。
Q.市民の皆さんへ伝えたいことはありますか
A.安全で効率的なごみの処理には、市民の皆さん一人一人の協力が欠かせません。これからも適切な分別にご協力をお願いします。
ごみの処分に関するお役立ち情報
まだ使えるモノを「ごみ」として捨てていませんか。売ったり、譲ったりして再び誰かに使ってもらうリユース(再使用)は、ごみの減量につながるだけでなく、処分費用や搬出の手間を減らすことにもつながります。
\年末の大掃除の前にチェック/
その不用品、リユースできるかも?
売却なら「おいくら」
複数のショップの買い取り価格を比較し、手間なく売却ができるサービスです。
詳しくは、「おいくら」紹介ページを確認してください。

譲るなら「ジモティー」
地域内でモノを譲り合いできる掲示板サイトです。個人間取引のため、買い取り店では値段が付かないモノや運搬に困るモノも取引できます。
詳しくは、「ジモティー」紹介ページを確認してください。

使用済みインクカートリッジを回収しています
年賀状作成などで使用済みとなったインクカートリッジがあれば、市の施設に設置してある回収箱に入れてください。
回収場所
市役所市民ホール、結とぴあロビー、和泉地域交流センター、各公民館、図書館
回収対象
プリンターメーカー4社(brother、Canon、EPSON、日本HP)が製造・販売する純正の家庭用インクカートリッジ
ごみの分別、迷ったら「大野市公式LINE」に聞いてください
「このごみ、どう出せばいいの?」そんなときは、市の公式LINEが便利です。
トーク画面でごみの名前を入力すると、分別方法やごみの出し方が自動返答されます。調べる手間がぐっと減り、迷ったときもすぐ解決。
まだ利用したことがない人は、ぜひこの機会に市公式LINEに登録して利用してください。
詳しくは「LINEでごみの分別が検索できます」のページをご確認ください。

























