令和8年9月第451回定例会において、「社会福祉法人の経営継続に対する支援の拡充を求める意見書」を全会一致で可決しました。
なお可決された意見書は、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣などの政府関係機関に提出いたしました。
社会福祉法人の経営継続に対する支援の拡充を求める意見書(全文) |
社会福祉法人を取り巻く現状は、深刻な人材不足を背景に、法人の経営努力のみでは対応し得ない構造的課題が顕在化している。物価高騰と人件費の上昇が同時に進行する中、地域福祉の基盤を担う社会福祉法人の経営は極めて厳しい状況に直面している。 政府主導による賃上げ政策が推進され、全産業において一定の賃金上昇が見られる。しかし、社会福祉分野の処遇改善は補正予算や報酬改定等により段階的に進められているものの、全産業の賃上げスピードには追いつかず、他産業との賃金格差は依然として解消されていない。 人材確保のために法人独自の財源による賃上げを実施した結果、多くの法人で人件費比率が極めて高い水準に達し、設備投資や大規模修繕に必要な内部留保が圧迫されている。このままでは、社会福祉法人の将来的なサービス提供の継続性が危ぶまれる状況である。 さらに、光熱費、食材料費、消耗品費等の急激な物価上昇に対し、介護報酬、措置費、基本報酬等の公的価格が十分に追い付いていない。固定費の増大をサービス価格に転嫁できない制度構造が、法人経営を一層圧迫している。 また、全産業平均賃金がベースアップ等により着実に上昇する一方、公的価格に依存する社会福祉施設職員の賃金上昇幅は限定的であり、相対的な賃金格差の拡大が他産業への人材流出を加速させている。 地域福祉の持続可能性を確保するためには、社会福祉法人が安定的に事業を継続できる環境整備が不可欠である。よって、国において下記の事項を早急に実現されるよう強く求める。
記 1 施設整備に係る補助制度の拡充 建設費・資材費の高騰を踏まえ、施設整備費等の補助率を引き上げること。 資材調達の遅延や工期長期化等に対応できるよう、補助金の複数年執行を可能とするなど、補助要件の見直しを行うこと。 2 社会福祉法人の経営継続に向けた財政的支援の強化 物価高騰や人件費比率の高止まりを適切に評価し、光熱費補助の継続、税制優遇措置の拡充等、地域福祉インフラ維持のための経営支援策を講じること。 物価上昇に連動して食費・居住費の基準費用額を見直す仕組みを導入すること。 地方交付金に基づく自治体の支援メニューや補助額に過度な格差が生じないよう、適切な調整を行うこと。 3 全産業の賃上げ水準に見合う介護報酬等の抜本的改善 他産業と遜色ない賃金水準を確保できるよう、基本報酬の底上げを含む抜本的な処遇改善を行うこと。 介護、障害福祉、子ども・子育て支援等の制度間で異なる処遇改善の仕組みを一元化し、対象職種の拡大及び法人裁量の拡大を図ること。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年9月30日 福井県大野市議会 |