東アジア初産出 中期ジュラ紀バトニアン期に生息していたアンモナイト エピストレノセラス化石
2017年、大野市教育委員会の酒井佑輔主任学芸員が本市和泉地区の栃餅山の南方にある中期ジュラ紀の地層(九頭竜層群下部層)からアンモナイト化石を発見しました。当地は化石が乏しい地域ですが、当時の福井県立恐竜博物館の後藤道治副館長(現在名誉研究員)と研究を進めた結果、東アジアでは初めての産出となるエピストレノセラスという種類と判明しました。
実物化石は、和泉郷土資料館にて一般公開されています。
同定結果・根拠
肋(線状の模様)に「殻の縁で後ろ側に曲がる」、「イボが発達する」という特徴があり、栃餅山産標本はエピストレノセラス属に同定することができます。
発見の意義
東アジアから初の化石産出
エピストレノセラスは、これまでにヨーロッパ、インド、中南米などから発見されていましたが、東アジアからは今回が初めての産出となります。
大野市最古のアンモナイト化石
大野市は多種多様なアンモナイト化石が豊富に見つかることで知られていますが、エピストレノセラスはこれまで本市から発見された中では最古のアンモナイト化石になります。
化石の研究論文
タイトル
Discovery of Epistrenoceras sp. (Ammonoidea) from the Middle Jurassic Series in Fukui Prefecture, Central Japan
[和訳:福井県の中部ジュラ系から発見されたアンモノイド Epistrenoceras sp.]
著者
後藤道治(福井県立恐竜博物館)
酒井佑輔(大野市教育委員会)
掲載雑誌名
瑞浪市化石博物館研究報告第48号
論文出版日
2021年12月26日にオンライン出版、2022年3月11日に冊子版発行
化石画像等
栃餅山で発見されたエピストレノセラス化石(大野市教育委員会所蔵)
エピストレノセラス化石が発見された現場。 右の地図中のグレーは九頭竜層群の分布を示す。
エピストレノセラス化石が発見された栃餅山の地層
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